ふみたけさんの評価レビュー

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全てにおいて中途半端な作品

観賞手段:テレビ
ネタバレ
『人生をやり直すために人里離れた村に向かう』

その文言でワクワクしてしまった自分を、今になっては迂闊だったと言わざるをえない。
その場所で殺し合いが起きるのか、はたまた何かバケモノが?
そう思っていたのだが、蓋を開けると待っていたのは限りなく薄い人間ドラマだった(バケモノは間違っていなかったが)。

ただ言っておきたいのは、岡田麿里の描く脚本は嫌いではなく、どちらかと言うと好きな部類に入る。
心理描写を主にしている脚本家だと思っているので、その点では期待通りではある。

だが、そうなると『バケモノ』が不要に思える。
これでもか!と言うくらい多量の登場人物がいるのだから、『それらの人と通じて自分を見つめなおす』くらいでも良かった気がする。
だが、『バケモノ』が主体なおかげで、登場人物の大半を覚えられず、そのキャラクター達の背景も不明なまま終わってしまった。

上記が原因でもあるが、登場人物の大半が鬱陶しく、非常に不快なキャラクターばかりと言うのも印象が悪い。
中でも『真咲』と『こはるん』は最後の最後まで嫌いなままだった。
普通は第一印象が悪いキャラクターは後半盛り返すものだが、この作品においてはそれがなかったのも辛い。
『光宗』は唯一主人公だとは思ったが、何をおいても「真咲さん!真咲さん!」と連呼するのは好きではなかった。

正直、『運転手さん』が一番素晴らしいキャラクターだった様に感じてしまう。
『ナンコ』、『リオン』、『美影』は好きだったが、描写が足らなかったので、「結局何だったんだ?」という印象になってしまった。

話を戻すが、群像劇にするなら『バケモノ』は不要だった気がするし、『バケモノ』を出すなら登場人物は半分くらいで良かった。
結果論ではあるが、全てにおいて中途半端だったと言わざるをえない。

結末も「え?これで良いの?」と思ってしまったので、自分の中ではスッキリしない作品だった。

だが、主人公の『光宗』やその友人『颯人』の心理描写は個人的には良かったので、それが全員にあれば文句なしの作品になっていた気がしてしまう。
それだけに残念ではある。
ふみたけ
ふみたけ
ストーリー
3.0
作画
3.5
キャラクター
2.5
音楽
3.0
オリジナリティ
4.5
演出
3.5
声優
3.0
3.5
満足度 3.0
いいね(0) 2016-07-18 13:06:04

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