よるなるさんの評価レビュー

現代人が何らかの方法と何らかの理由で連れてこられたファンタジー世界でそこそこリアルな生活をしていかなければならない状況に追い込まれる作品。時間経過と共に元の世界の記憶を忘れていくというハードな設定はあるのですが、グリムガルで気がついた時には既に記憶の大半が失われていて、記憶の喪失という設定に悲壮感がまるでありません。意味はわからないけどこんな言葉が頭にあったとか、月が赤くなかったような気がするとか、そんな程度です。

また今回の熊本の地震でも痛感したことで多少ニュースでも言われていましたが、現代人の女性が突然サバイバルをさせられた時に意外と困るのが生理用品です。他のファンタジー作品と比べれば日々の生活をリアルに描いたところもこの作品の売りの１つだと思うのですが、部屋着を買うまで考えが回らない、初めから着ていた下着をだましだまし着ていたというような金欠の状況で、ユメもシホルも全く困らなかったのでしょうか？

加えて言うなら法が正しく機能していない状況での女性の立場と言うのは非常に弱いものです。町中でも１人で歩いていて安全とはいえないはずなのですが、何故かその辺りだけは現代レベルの治安が維持されています。もっと気楽な良くあるファンタジー世界の話なら別に構わないのですが、作品として戦いや生活のリアルさを売りにしている（と思われる）この作品で、そのあたりの表現抜けは長所を伸ばしきれなかったように思えます。原作からこうなのか、アニメ化にあたってソフトな表現にしたのか、ちょっと気になります。

まあ端的に言ってしまえば、話題の為にもっとエロい事件が起こっても良かったのではと・・・。