いろいろ考えさせられる。辛く、でも暖かい作品
観賞手段:劇場
京アニ、山田尚子監督の最新作。ずっと期待してました!!(原作未読です)
何となく「君の名は。」の人気の影に隠れちゃった感もありますが、とてもいい、レベルの高い作品です。
観る前は、ろうあ者がヒロインのストーリーということで、昨年の「心が叫びたがってるんだ。」と似たような話なのかなとも思ってましたが、そういうことではなかったです。もちろんろうあの問題は大きなテーマのひとつですが、主人公の石田君や、ヒロインの西宮さんが悩み苦しむのは、そこに端を発するもう少し別の問題。そして、その悩みは、実は、周りを取り巻く友人にも少なからずある。言ってみれば、子供時代・青春時代に誰でも持つ普遍的なテーマを扱っている。たまたま、そこにろうあという非日常的なものが持ち込まれたことで、子供達の社会が微妙にバランスを欠き、そして後に後悔を引きずる問題を起こしてしまう。本作は、原作コミックありのアニメ作品なので、さすがにストーリーが骨太。アニメじゃなくても実写でも全然いけるストーリーです。正直、京アニの作品は、オリジナル脚本はあまりよくないものが多いように思うのですが、すでに原作ありのものをアニメ化するのは本当に上手いと思いました。ちなみに、脚本は吉田玲子さん。さすがです。
キャストですが、ろうあのヒロイン・西宮さんを演じる早見沙織さんがひとつの見どころ。何しろほとんどセリフらしいセリフがないという難しい役どころでしたが、さすがそこははやみん、上手く演じていたと思います。あ、あと、音楽の使い方、音響効果というのかな、そういうのがすごかったです。最後の最後になって、あーそうか!と思うと思うので、そちらも楽しみに!
ぜひ皆さんに観てもらいたい良作です。できれば、お子さんに観て、何かを感じてもらいたい! 親子で観るのもいいです。鑑賞後にいろんな会話ができると思います。
- ストーリー
- 5.0
- 作画
- 5.0
- キャラクター
- 5.0
- 音楽
- 5.0
- オリジナリティ
- 5.0
- 演出
- 5.0
- 声優
- 4.5
- 歌
- 4.5
満足度
5.0
いいね(0)
2016-09-20 11:38:47