こう言う作品がヒットする事の素晴らしさ #この世界の片隅に
観賞手段:劇場
太平洋戦争を軸とした昭和前半期の文化の変遷を庶民の視点で切り取ったドラマ、と言うとNHKの朝ドラでは幾度となく繰り返された題材である。しかし近年のアニメ市場的には主流とは言えず、ジブリ級のネームバリューでも無いと中々取り上げ難い。ともすればメッセージ性が過剰になり、説教臭いと敬遠される可能性もある。
幸いにも本作は当初想定以上のヒット作となり、上映館数も増えての公開が継続中である。大ヒット作の多い2016年邦画界の中で、こういった作品がヒットする状況と言うのは市場としての健全さが伺える。単なる流行り廃りに乗っかるだけの層ではないのだ。
戦争体験ものとなると辛い部分ばかり強調されそうだが、本作はノスタルジックな柔らかく温かみのある描線でまとめ、アニメーションならではの象徴的な描写で和らげているが、それは決して誤魔化している訳ではなく、じわじわと伝わってくる辛さも多い。政治思想色を控えて民衆の生活する姿、辛い事も乗り越えて生きていく姿を見つめて行く事で胸に残る作品となっている。
- ストーリー
- 5.0
- 作画
- 4.5
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 5.0
- オリジナリティ
- 4.5
- 演出
- 5.0
- 声優
- 5.0
- 歌
- 5.0
満足度
4.5
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2017-01-04 03:54:14