力作だが高くなりすぎた期待には応えられない
観賞手段:CS/BS/ケーブル
正直、Fateに関しては原作やスピンオフをずいぶん前にプレイして、2006年のアニメ版を見て、映画のUnlimited Blade Worksを見て、Fate/Zeroを見て・・・ということでなんだか感覚が麻痺してしまっています。
今回のTVアニメ「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」は、迫力があるアクションシーンや、2015年の技術で描かれる終始ハイクオリティな映像や音、魅力的で記憶に残るおなじみの(?)キャラクター、様々な名場面が含まれた引き込まれるストーリーなど、褒められる部分は大量にあります。
しかし、実際には駆け足なのにテンポが悪く思えたり、原作ゲームをプレイした時ほどの興奮や感動はなかったりと、イマイチだと感じる部分があるのは紛れもない事実です。
今回のアニメには「情報」が足りないんです。やはり、ビジュアルノベルの情報量をアニメに落としこむのは無理があったか。
Fate/stay nightというのはそれだけ映像化が難しい作品だと言えるのではないでしょうか?というかビジュアルノベルのアニメ化全体に言えることかもしれません。
加えて、2006年のFate/stay nightや、原作ゲームのセイバールートをやっていないと一部のキャラクターの魅力がかなり薄れます。その中には衛宮士郎すら含まれます。(1クール目で再び共通ルートを描いたにも関わらず・・・)
それに伴ってストーリーの魅力も若干減りますが、それでも名シーンのおかげで持ちこたえられます。
非常に高精細な画作りの中で、個人的に気に入らないのは凛のキャラクターデザインです。
UfotableはPS Vita用ゲームのオープニングアニメも作っていますが、そちらに登場する凛と本作における凛で微妙にデザインが違います。なぜこちらを選んだのか理解できません。
もし今回のUBWをそれほど評価しない人がいても何の疑問も抱きません。高く評価すべき理由も十分あるし、その一方で高く評価できないという理由も理解できます。
Fate/Zeroを見ていれば今回のUBWを最後まで見てみようと思えるはずですが、今回のアニメでZero並のストーリーを求めると拍子抜けしてしまう可能性があります。
初めて映像化される、Fateで最も尖ったシナリオである、桜ルートHeaven's Feelの映画が上手くいくことを願います。
やっぱりオープニングはTHIS ILLUSIONかDisillusionがいいよ・・・
- ストーリー
- 4.0
- 作画
- 4.5
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 4.5
- オリジナリティ
- 5.0
- 演出
- 4.0
- 声優
- 4.5
- 歌
- 3.5
満足度
4.0
いいね(0)
2015-07-02 01:11:06