GATEはミリタリーとファンタジーの要素を融合ではなく、その2つを衝突させる、あるいは邂逅させるというコンセプトのアニメです。
ファンタジー世界と現代世界を行き来できるゲートの出現とそれに伴う全く異なる世界の邂逅。
自衛隊の戦力がファンタジー世界の兵力や怪物に対抗でき、どちらかというとファンタジー世界側が現代兵器に困惑し畏怖するというのはユニークな展開だと思います。そして単に武力衝突するだけでなく、言語を学び、外交をし、現地の住人と交流する。
個人的な好みとしては、もっとミリタリー作品寄りに描いてほしかったかもしれません。ところどころでそういったシーンや台詞もあるのですが、GATEをミリタリーかファンタジーかのどちらかに分類しなければならないとしたら、ファンタジーを選ぶことでしょう。それによってミリタリーの知識ゼロでも楽しめるようにはなっています。
主人公の伊丹がオタクで、自分が夢見ていたようなファンタジー世界と美少女が登場する異世界に興奮するというのも面白く、主人公が大人の自衛官という設定が良かったと思います。
一方で、色とりどりの美少女キャラクターがいっぱい出てきて、子供のような外見の少女がめちゃくちゃ強いという深夜アニメのちょっとしたお決まり要素やコメディ展開に幻滅する視聴者もいるかもしれません。
また、日本に来てからの展開、特に委員会への参考人招致のあたりや宿を襲撃されるあたりはプロットの精彩を欠いているような気がしてなりませんでした。演出なのか。
GATEの設定は面白いですが、この1期では無駄にしている時間も多いです。また、文化の違いという部分ではもっと色々できたんじゃないかと思ってしまいます。
細かな点では、どう考えても米軍が特別措置で同行するのが自然ではないかと思いました。
映像面ではもうちょっと面白いことをしてほしいかったなと思いました。物凄く粗いCGがあったのはマイナスです。
いずれにせよ、娯楽性という部分ではかなり優れている作品なので、おすすめできます。
この作品のポテンシャルが分割の2クール目(炎龍篇)で発揮されることを祈ります。
ところで、あのゲートが「どこでもドア」サイズだったらどうなってたんでしょうね。