soiboshiさんの評価レビュー

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TVシリーズの補完、そして……

観賞手段:劇場
ネタバレ
過去編がTVシリーズの総集編、
未来編は完全新作であり、未来へ向かう話になっています。
文字どおり、主人公の未来を中心に据えた作品です。

過去編のラストで、ハッピーエンドから一転、
未来が記憶をなくしてしまうという、
近年の作品で言うと極黒のブリュンヒルデのようなことに
なってしまったところから、未来編は始まります。

異端の異界士である未来をその苦しみから解放しようと、
記憶が戻らぬよう、秋人は未来を避けようとしますが、
秋人のことを強く思う気持ちだけは強く残している未来は、
なんとか以前の自分、そして以前の関係を知ろうとして、
一生懸命に秋人に近づきます。
当然秋人には記憶がありますので、つらい立場なわけです。
それでもそっけなくあたり、未来を遠ざけようとします。

そんな折、街で異界士が襲われる事件が増え始め……
というのが導入部分の内容です。

事件には、行方不明である藤真弥勒と泉さんが絡んでおり、
劇中では、弥勒と泉さんの関係が明かされます。
このふたりの登場から物語が大きく動いていきます。

TVシリーズ最終話で、「続くッ!」と言い残して去った
秋人の母・弥生が、あらゆるシーンで重要な役割を持って
登場してくるのが印象的でした。
冗談めかして言っていましたが、異界と現世界を見守る門番
として生きている、というのは真実なのだろうか……
新たな謎が生まれます(笑)

未来編は、TVで描ききれなかった部分を補完する位置づけ
なんだなと、観劇していて思いました。

最後、秋人と未来は、より絆を深めて物語を締め括ります。
まるでプロポーズのような言葉を言い交わします。
このあたり、近くの席で号泣している人がいました。
とても明るい、さわやかでしあわせなラストです。

でもちょっと問題があって、
当方、初日と本日の2回観劇したのですが、
未来ちゃんがどうして記憶をなくしたのかが判らない。
記憶がすべて戻ったのかも正直判らない。
えっ、ちょっと待って、となりました。
未来ちゃんがどうして現世界に戻ってこられたのかも
明かされていなかったハズ。

しかし、TVシリーズのフルメンバーが出てきましたし、
物語自体は綺麗に収まっていたので、細かいことはなんとやら、
という気分にさせられました。
つらいシーンが続きますが、観てよかったという結果に
落ち着きます。キャラクタアが魅力的ですしね。

過去編でも書きましたが、
この未来編も結局のところ、TVシリーズを観た人向け
なんじゃないかなぁ。異界士の説明だの、桜、愛ちゃんや
彩華さんがどういう存在なのかなどといった、
詳しい描写がなかったので(お狐様は登場しますが)、
初見の人には判りにくい部分があるだろうなと考える次第です。

境界の彼方を見てきたファンにとっては、
見どころのある作品になっていると思います。
蛇足じゃないのかと心配していたのでしたが、
観て損はなかったです。
soiboshi
soiboshi
ストーリー
4.5
作画
4.5
キャラクター
5.0
音楽
5.0
オリジナリティ
4.0
演出
4.0
声優
5.0
4.5
満足度 4.5
いいね(0) 2015-05-08 21:06:53

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