soiboshiさんの評価レビュー

今回の過去編は、TVシリーズの総集編となっているので、
TVシリーズを観た人向けになっていると感じました。
ファンのための作品という感じです。

それは、６話アイドル回の "約束の絆" がプロモふうに
新しく描かれて、出オチとばかりに流れることでも
判るのではないでしょうか。
会場ではドッと笑いが起きていました。
わたしも笑いましたが（笑）

内容はというと、90分という決して長くはない時間で、
未来ちゃんと秋人の関係、出会いからエピソードを経て互いの
思い繋がっていくまでを中心に描かれており、
そのほかは潔いまでに削がれているので、
初見の人にはとっても物足りないのではないでしょうか。

細かなエピソードが削られているなかで、
アイドル回ネタを外さない、というか最初にぶつけてくる
京アニには、描きたいものがあるんだという心意気が
見て取れて、あっぱれと思いました。

それで、話が前後しますが内容については総集編のため、
目を見張るほど変わったところはありませんが、
舞台挨拶でのお話では、細かいシーンが描き足されている
とのことで（わたしは気づけなかった）、
そういうところを探してみるのもいいかもしれないですし、
声は映画のために新しく撮り直されているので、
どこがどう違うというマニア的な楽しみかたをするのも
ありだと思います。

肝心なところですが、新展開があります。
総集編とは言っても、先述のようにまったく同じわけでなく、
物語ラストに、次作『未来編』につながる山がドーンと来ます。
このための過去編だったんだな、というのが判ります。

しかしこの流れというかオチなのですが、
原作がこうなのかもしれないのですけれど（未読）、
まったくほかの作品で先に触れていたので、正直なところ、
えっ、境界でこれをやるの!?　と思ってしまいました。
結果として『未来編』が面白くなればそれでいいのですが。

『未来編』は登場人物みんなに見せ場が用意されているようで、
物語の決着と合わせて、非常に楽しみなところです。