SF要素を期待してはならない
観賞手段:CS/BS/ケーブル
このアニメを見て真っ先に思い出したのは、映画「A.I.」や映画「ブレードランナー」、さらにはアニメ「イヴの時間」です。本物の人間と見分けのつかないようなアンドロイドが出てくる作品です。
1話を最後まで見た時、このアニメはかなり面白くなるかもしれないと思いました。
現代においてもロボットに感情を持たせることは危険だとされており、先述のようなSF作品の中でもそういった感情を持ったアンドロイドと人間の関係が巧みに描かれており、プラスティック・メモリーズの1話はそういった類のものを感じさせる内容でした。
アイラというギフティア(本作におけるアンドロイドの通称)が主人公とパートナーになるという時点で、物語の結末というのはある程度見えてくるものの、予想通りになってもならなくてもいずれにせよ作品自体に興味を持つことはできました。
アンドロイドと人間が暮らすのが当たり前になった近未来の世界で、アンドロイドと人間の間に生まれた思い出の儚さをゆっくりじっくり描いていくのが本作です。
暴走したギフティアや闇回収屋というような事も扱われるものの、物語がそちらにシフトしていくことはありません。
この手のテーマでは、どちらかというとダークでシリアスな方向へ行きがちではあるのですが、本作ではSFというより恋愛モノという色が濃くでています。これは悪いことはありません。
しかし、コメディタッチ、さもすればラブコメのような展開が多く挟まり、それが各話の核となる部分を霞ませ、主題を見失いかけてしまうだけでなく、終盤に辿り着くまで取るに足らないエピソードの連続に思えてしまいます。
どういったトーンの話をどのくらい配分にして各話を構成していくのか、その部分が上手くいっていないためにミスリードしてしまっていると思います。そのため、感情移入がしづらくなっています。
映像面では良い場面には力が入っていますが、全体的には特筆すべきほどではありません。また、キャラクターの髪の毛などのハイライトがやり過ぎです。それこそ、本当に「プラスティック」のように見えてしまう・・・。
このアニメの評価は、1話でその後に何を期待するのか、それによって大きく変わってくることでしょう。
しかし、本作を頭ひとつ抜けださせるほどの要素が足りなかった、というよりもむしろそれを壊してしまった・・・のかもしれません。
- ストーリー
- 3.5
- 作画
- 3.5
- キャラクター
- 3.5
- 音楽
- 4.0
- オリジナリティ
- 3.0
- 演出
- 3.0
- 声優
- 4.5
- 歌
- 4.5
満足度
3.5
いいね(0)
2015-07-03 21:45:08