しゃんさんの評価レビュー
»一覧へ敷居の高くない戦争・宗教もの
観賞手段:テレビもともと原作の大ファンで、この物語をきっちりアニメ化するのは難しいのではないかと懐疑的でしたが、期待を大幅に上回るクオリティでした。 石川雅之の緻密で閉鎖的な作品にこれほど切り込むことができたのは、流石、谷口悟朗監督だなあと思います。 アニメオリジナルキャラクターの存在がストーリー上、非常に効果的に働いていました。コンパクトに完結した原作の良さを残しつつ、1クールアニメとして間延びなく12話使いきったという印象です。 宗教もの、戦争ものはともすればシリアスになりすぎて、観ていると辛くなってくることがあります。『純潔のマリア』も、救済や個の限界や宗教倫理などの正解がない問いを多く投げかける作品でした。マリアの正義観には賛否両論あると思います。しかし、様々な立場のキャラクターを動かすことで問いを丁寧にひもといていき、ひとつの結論としてマリアの答えを提示するような、作り手の誠実さを感じるアニメ作品でした。 原作でも思わず涙ぐみましたが、アニメでもエゼキエルにはやっぱり泣かされました。ナレーションの最後の一文も見事です。
- ストーリー
- 4.5
- 作画
- 3.0
- キャラクター
- 4.0
- 音楽
- 4.0
- オリジナリティ
- 4.5
- 演出
- 4.0
- 声優
- 4.5
- 歌
- 3.5