愛する資格があるのは、相手の為に身を捨てる覚悟のある者だけ。
観賞手段:テレビ、試写会、動画サイト
ストレートに美しい物語だった。幾原作品としては比較的分かりやすい表現と感じた。
愛する資格があるのは、相手の為に身を捨てる覚悟のある者だけ。
鏡の前で己を撃ち抜く、己を砕く覚悟を決めた者達だけが辿り着く、性別どころか人と獣の差すら乗り越えるほどの純粋な愛。
真の愛を勝ち得た2人は、閉ざされた世界から旅立ち新たなる世界を進む。
互いのスキをあきらめずに添い遂げる2人の姿は、劇場版少女革命ウテナを思い起こさせる。透明な嵐が吹き荒れる壁から解放された2人に、もう恐れるものはなにもない。
また、透明な嵐の苛烈さはTV版ウテナを思い起こさせる。姫宮の籠もる棺に向かうウテナを襲う無限の剣の嵐を。ウテナが去るとすぐに学園から忘れ去られた様に、透明な嵐は常にマイノリティの排除を狙う。
そんな盤石な世界にあって、しかし少しずつ世界は変わる。
新たな熊と少女の結びつきは生まれ、密かに受け継がれていく。
難解と言われつつも、1クールと言う事でド直球勝負の物語だったと思う。
隠された表現や暗喩、引用モチーフなど表現の深みは相変わらずだが、今回はストーリーその物は揺るぎないド直球だった。
キャストの起用も特に悠木碧や村川梨衣の悪役起用による新たな面を引き出すなど、効果的だった。
そしてOPの作品内容とのマッチングは素晴らしく、そしてEDの3人で戯れる図が結局1度も果たされずに終わるところなど、感慨深い。
これでまた次回作まで待つのは寂しいが、遠くない事を祈るばかりである。
- ストーリー
- 4.5
- 作画
- 4.5
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 4.0
- オリジナリティ
- 5.0
- 演出
- 5.0
- 声優
- 4.5
- 歌
- 5.0
満足度
5.0
いいね(1)
2015-04-13 00:33:52