CUDAさんの評価レビュー

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相良宗介の面白さとかっこよさ

観賞手段:ビデオ/DVD、BD
フルメタル・パニック!は傭兵組織「ミスリル」に所属する相良宗介を主人公にし、ミスリルの軍事活動や相良宗介とその周りの人間を描いた作品です。

ミリタリー色の強いロボットアニメではあるものの、一般市民の生活をまるで知らない生粋の軍人である相良宗介が千鳥かなめを護衛しながら高校で生活するコミカルな要素が多くの人の心を掴む部分だと思います。

護衛対象である千鳥かなめは帰国子女で、アニメのヒロインとは思えないアグレッシブな性格をしており、それがまた宗介とのやり取りの面白さを引き立たせてくれます。

かなめも実質主人公的な立ち位置なんだろうと個人的には思っています。
実際、かなめ視点というか、宗介の主観ではない描写もわりと多い気がします。

2002年当時のロボットアニメとしては、バンクを使い回すことなくしっかり戦闘シーンが描かれていると思います。

このアニメ「フルメタル・パニック!」だと、原作者の賀東招二さんが得意とするハードボイルドでミリタリー色が強い作風は原作よりも薄くなっているのですが、敷居を下げるという部分ではある程度貢献しているのかなと思います。

ふもっふを見た人は勘違いしがちですが、賀東招二さんはラブコメを書くのは苦手だと色んなところで言っています。

ハードでシリアスなロボット・ミリタリーのストーリーに、コメディをこんなに面白く、なおかつキャラクターを破綻させずに溶けこませられることが驚きでした。

しかし、中盤以降の展開はどうしても冗長な感じがしました。
特に「故郷に舞う風」というエピソードが3話かけてあるのですが、退屈そのものです。

また、四季童子さんのイラストをうまくアニメに落とし込んだ堀内修さんのキャラクターデザインもかなり高く評価したいです。

賀東招二さんによる「相良宗介」そして「千鳥かなめ」というキャラクターの"発明"は、かなり偉大だったなと最近のアニメを見ていても思います。
むしろ今のアニメのラブコメとかお決まりエロ展開に辟易してるなら、しばらくぶりにまたフルメタル・パニック!を見てみてはいかがでしょうか。

とはいえ、ハードでシリアスな展開がこの作品の中核にはあるのでそこは間違えないように。

フルメタル・パニック!を見たことがない人は、先にスピンオフ的な「ふもっふ」から見ても良いかと思います。
CUDA
CUDA
ストーリー
4.0
作画
4.0
キャラクター
5.0
音楽
4.0
オリジナリティ
4.5
演出
3.5
声優
5.0
4.5
満足度 4.0
いいね(0) 2015-10-07 02:18:44

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