健全とは性に対してしっかりと向き合うこと、隠したり偏向させることこそが不健全である。作品で訴えたことは実に最もなのだが、アニメの内容はとてつもなく下らない。個々の設定は非常にしっかりしているのに、ストーリーはめちゃめちゃ(特に最終回)。おじさんとしては、エロシーンが無秩序すぎていただけなかった作品である。
人と人の間にはエロがある。さまざまな愛、さまざまな性向、さまざまな矜持... それらをあまねく包括し生きている喜びを与えてくれるのがエロだ。だが本作は、そのエロの真実を問う意欲作ながらも、エネルギー源としてのハイエロ粒子に捕らわれすぎてしまった。
敵が強い、エネルギーが必要だ、エロいことしてパワーアップ! この流れだけではエロは語れないと思うのである。基本は大変楽しめた作品であったが、シチュエーションというか、もやもやっというか、根幹のリビドーに訴えかけるものを感じることができなかった。むしろ、エロカットやシーンに戸惑ってしまったのである。
もう若くないせいだろう。
OPの歌はとても良かった。犬の散歩時につい口ずさんでしまいやばいと思うこともあるぐらいである(近くに女子高があるので危険)。