あにわんさんの評価レビュー

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変形合体が格好良かったのは前世紀まで!

観賞手段:テレビ
1stクールが終了した段階では、ストーリーもさほど進んでおらず、ひと通りの状況説明が済みキャラクター紹介の最中といった感じだ。なのでここでは、設定面のみレビューしたい。

とにかく本作は、ロボット含めてギミック関連が非常にダサい。まったく意味なくぐるぐる回転したり変形したり、格好良ければ許せるのだが少なくともおじさんにはちっとも響かなかった。だが、これだけなら許せた。もっとも情けないと思うのは、考証関係がなおざりな点だ。

他の人にはどうでもよいことかもしれないが、個人的にはロケットの即時発射体制と基地の場所がまずいただけない。

アースエンジンはH2Aの発展形のようなロケットで種子島から打ち上げられるのだが、液体燃料ロケットで常時発射待機は無理がありすぎる(種子島は液体燃料ロケットの基地で内之浦は固体燃料ロケットの基地と棲み分けされている)。現代テクノロジーからの発展形設定での常時&即時発射体制ならば、可能性が高いのは固体燃料のイプシロン系であり、必然的にGlobe基地は内之浦にあるべき。種子島=宇宙への前線基地と思われがちだが、はやぶさも内之浦から上がった。また、ロケットにはペガサスという名が付いているが、同じ名のロケットがすでに運用されている。

そして更なる謎を持ちかけるのが宇宙ステーション。種子島からのランデブーを考えれば静止軌道上にいるのだろうと考えられるが、この場合は複数の宇宙基地がないと月からの侵攻に対応できない。また、1つの宇宙基地で全防衛域をカバーする想定だと月に対して相対的な位置を保ち続ける必要が生じ、地上基地が種子島だけでは迎撃必要時間に大きな差がでてしまう。

SFアニメは、様々なギミックに対して、トンデモでも勢いでも良いから”面白い!”という説明をつけるところに作り手側の楽しさの半分以上があると思うし、見る側もそれを楽しみにしている。だが、本作は独自用語は多数出てくるが、背景説明は皆無に等しい。

たとえば宇宙基地が静止軌道上にあると仮定した場合、その高度は3万5000km強であり国際宇宙ステーションの約90倍の遠距離となる。敵が月-地球間のどのあたりで実体化するのかは分からないが、地上から打ち上げて変形完了して迎撃体制を整えるためには分ではなく時間単位が必要となる。後がない最終防衛戦を後手で行わなければならない。ここらへんがしっかり設定され説明できていれば、地上で制限時間内に敵を倒さなければいけない理由などがもっとはっきりすると思うのだ。

1stクールを終えての途中評価は、ガオガイガーの時代から、何も進化していないどころか大きな退化の残念作である。

最後に、これって8月の夏休み1ヶ月の話なのだと思うのだけど、青春要素が薄すぎないかな? 2ndクールに期待します。
あにわん
あにわん
ストーリー
3.5
作画
3.0
キャラクター
2.0
音楽
-
オリジナリティ
3.0
演出
-
声優
-
-
満足度 2.5
いいね(1) 2014-07-06 15:09:49

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