1期終盤の謎展開により、イベント「ラブライブ」が年に2度も開催される事になり目標としての価値が下がった事を指摘せずにはいられない。学園存続を勝ち得た次の目標として「ラブライブ」に挑む展開で締めていれば避けられたものを。
それを埋めるべく投入されたと思われるテーマが「卒業」である。ラブライブが他のアイドル作品と差別化するために導入した「スクールアイドル」であるからには、卒業による代替わりは避けられない。
ただ、本来受験や就職などの進路へ向けての活動が中心となるはずの3年メンバーがスクールアイドル活動を続けているのは、さすがに大丈夫なのかと思う。
それ以外は1期9話10話の流れを引き継ぎ、各キャラの描写を深め1期で出来なかったアイディアが投入され、3年生卒業と共に解散する事を決意する展開には文句は無い。在校生だけで別ユニットを組み継承していくのも自然ではあるが、μ'sはライブ展開上キャストも一体の存在であるから、一部メンバー変更という選択は厳しいメタ事情もある。
ただ、卒業へ向けたしんみり感のムードだけで済し崩し的にスクールアイドルの頂点に立ってしまった感も否めない。部活もの的には、どのチームにだってそんな事情はあるはずなのだから。
また、切磋琢磨すべき他のスクールアイドルがあまり描かれなかった事は、劇場版にも影響する。
ともあれ1期に比べればほぼ想定通りの幕引きとなり、スノーハレーションのライブシーンには様々な感慨があった。
ただ、スクールアイドルならではの輝きは何があるのか、プロとしてのアイドルとどう差別化できるのか、といった根源的な部分には踏み込まれずに終わったのは残念である。