この作品はとても深くアイデアが練られ、視聴者に伝えたい事がとてもシャープに研磨されていた。母と娘の物語。学園モノ。“キルラキル”で”着る”と”切る”。設定を詰めていくうちに70~80年代作品を土台においての未来設定へと落ち着いたのは作品を見終わった今なら理解できる。だが、第一期ではアイデアと伏線が練られすぎて、面白さを追い越してつまらなくしてしまっていた。
正直、第一期は過去作の出来の良さからの期待で見続けた。絵柄がなんでこんなに古いのか、EDがどうしてスケバン刑事なのか、毎回のタイトルが懐かしの名曲なのか、リスペクトとかオマージュとかは感じられず、優れた過去作品を軽々しく扱いすぎだと思っていた。”古そうで激しい効果って、今、逆に新鮮でしょ!”みたいなクリエーターのひとりよがりにしか見えなかった。今振り返れば、完璧に練られたストーリーも、まだ全体像がほとんど明かされない段階では、どこが面白いのか全くわからなかった。
第二期では、期待に違わず(いやそれ以上)怒涛のストーリーが進行し、一気に輝きをました。途中で視聴をやめた人がいるならば、ぜひ再度、今度は最後まで見て欲しい。とても面白いものを見たと言う感想になると思う。自分も機会があれば第一話から伏線や仕掛け拾いを兼ねて見直したい気分だ。
ただ一点、最終話がガンバスターな点は”ちょっとそこでそれ?”である。