にゅまさんさんの評価レビュー

アンチョビの一見カチューシャの様な暴君ぶりながら、その実部下思いの心配症なオカン体質なところで、発表前の「５秒で終わったところ(プッ)」から一気にアンツィオ人気を高めた１作。
　遅ればせながら、地上波初放映を記念してレビュー致しました。

　本編では構成上カットせざるを得ない試合として決着シーンのみ描かれていたのを、そのシーンに行き着く為に趣向を凝らし、更には決勝戦前に激励に来た敗退チーム達の中に含まれていない事にも辻褄を合わせた一作。
　また、サンダース戦やプラウダ戦の様な狙撃手によるロングレンジ対決とは違った、まるで拳法の組手の如き自走砲同士の密着戦、豆戦車CV33多数投入による高速機動戦など、他校との戦いとは上手く差別化が図れた展開だった。しかも最後はそばで撃墜され転覆したCV33を心配して気を逸らしたアンチョビの隙を打たれると言う、アンチョビの人の良さが見える結末であった。

　ほか、本編中では踏み込まれなかった歴女チームの描写や、以後の展開に繋がる追加メンバーの経緯に触れていたりなど、劇場版制作のために吉田氏と水島氏が関われない中で本編との整合性は頑張っていたと思う。
　特に演出を引き受けたカトキ氏の参加理由が「(メカデザイナーになるにあたり)戦車は世話になっていたので恩返しをしたくて、ずっと『ガルパン』に機会があれば手伝いたいと思っていた。」と言うのは好感度高い。

「劇場版ガールズ＆パンツァー チーム人気投票」 https://akiba-souken.com/anime/vote/v_229/ にてアンツィオ人気の高さが実証されたが、本作を見ればその理由も十分理解できるものと思う。