YOU44さんの評価レビュー

元森喜朗五輪組織委員長の女性差別発言以来
日本のジェンダー問題は
新しい局面になったと思う。
先日知人女性に、最近読んだ斎藤環の
「関係する女　所有する男」の話を
しよとしたら拒否反応があった。
興味深い内容だったので、女性の立場から
話を聞きたかったのだが
多分、決めつけ、枠にはめられる感、
定義されることへの嫌悪があったのだと思う。
男と女の話はデリケートだなと再確認した

なぜそんな話をしたかというと
この作品が人間とアンドロイドの
境界が曖昧になった「関係性」の話だからだ。
「ジェンダー・センシティブ」という言葉がある。
ジェンダーに起因する差別や格差に敏感な視点。
事例ごと判例ごとに都度微細に判定する
方法論でもある。
事態が紛糾するとこういう繊細な感受性と
判断が必要になる。
人間とアンドロイドの関係性は
昔からあるベタな話だが
ジェンダー、LGBT、ダイバーシティの
延長線上で「センシティブ」に語れるのは
画期的なことだと思う

前衛的な内容と相まって
アングル、表現方法も実験的で
「斬新」「新しさ」と
「ブレードランナー」的レトロ感も加わって
不思議な味わいのある作品になっている