『君の名は。』『天気の子』で
宮崎駿とトップ2の新海誠監督。
『天気の子』のきっかけになったような作品だ。
冒頭雨に濡れる地面が美しい。
授業をサボった新宿御苑でタカオは
ユキノと出会う。
前知識はなかったがユキノの声は
花澤香菜だってすぐ分かる。
『シュタゲ』の椎名まゆりでグッときて
以来ずっとファンだ。
今回の声音は『5等分の花嫁』の一花か
『イエスタディをうたって』の榀子といった感じ。
艶っぽい。
「雷神の 少し響みて さし曇り
雨も降らぬか きみを留めむ」
万葉集の歌を言い残してユキノは立ち去る。
大人の雰囲気ある素敵なシーンだ。
ちなみに漱石の『行人』を読んでいるシーンもある
社会と距離がある人って好きだ。
「この人のことをまだ何も知らない
仕事も歳も抱えた悩みも
それなのにどうしようもなく惹かれていく」
タカオの心の声。こういうのってわかる。
映画『ラスト・タンゴ・イン・パリ』だって
相手のことを何も知らないまま
毎月会ってセックスする話だった。
「今まで生きてきて
今が一番幸せかも知れない」
ベタな言葉だが、思わずそう口をついて
でてしまう瞬間って確かにある。
特に何がどうという物語ではない。
青春の一コマを切り取って残して置きたかった。
そんな作者の気持ちが伝わる絵の美しい小品だ