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今無くなりつつある昭和の風景“紙芝居”に日本中にある都市伝説的なストーリーをのせて、大人向けアニメーションとして発信する「恐怖!デジタル紙芝居」。
昭和紙芝居 × 都市伝説 × 恐怖アプリのコンセプトの元、2013年7月14日の第1話放送後、検索ワード1位になるほどに注目を集めたアニメ「闇芝居」。
その制作者に、本作品にかける思いなどをお聞きしました!
■出席者
株式会社ILCA 船田晃氏、岡本愛子氏
株式会社テレビ東京 山川典夫氏
-----アニメ「闇芝居」の反響はすごいですね。
船田: 予想以上に反響があったので自分でも驚いています。インディーズ的に夜中にやって、みたいなノリがあったんですけど、ここまで広がるとは思っていませんでした。だから逆にちょっと慌ててしまいした。検索ランキングで上位になっていたのは、びっくりしてしまいましたし、本当にうれしかったです。
アキバ: 1話放送後は、「闇芝居が怖かった」というツイートがたくさんありましたよね。
山川: 番組公式ホームページを7月1日に立ち上げて、7月14日に放送がスタートしたのですが、アクセス数がものすごくて、7月中のテレビ東京の全アニメで第1位なんですよね。その状況が結構、観られているんだという実感につながりました。
-----「闇芝居」の企画はどこから生まれたんですか?
船田: ILCAは、CGエンターテイメントの映像を作っている会社なんですよ。会社にはそれぞれに企画を持っているクリエイターがいまして、そのなかの一人が考えた企画だったんです。最近は“昭和感のノリ”というのが結構おもしろいなと思い始めていたんですが、我々世代が見やすいっていう理解がありました。紙芝居チックなCG合成を使った作品をやるのは、昭和の古い映像ながらも、新しいことをやってるぞ、というような入り口ができるんじゃないかなっていうことをテレビ東京さんと話していたんですよ。
山川: 現在、テレビ東京では何十番組のアニメを放送していますが、今までにない新しいアニメを作りたいね、という話をずーっとしていて、チャレンジできるのは深夜のミニ枠かなと。そこで、相性のいいコンテンツってなんだろうと、千本ノックのように企画をいただいてました。その中に、ILCAさんに所属するクリエイター高嶋友也が作った「闇芝居」という企画があったんですよね。
船田: 自分たちの範囲内で面白いなって思うことをやってみようってことを始めたのが、入り口だよね。
山川: 入り口ですね。まあ純粋に視聴者に対してだけ作る環境があったときに、なにやろうかというのが始まりではあったんですよ。
船田: その中でも、「ホラーで紙芝居」というわかりやすい企画だったのは事実ですね。
山川: “昭和レトロ”はまさにそうで、なんなのかわからないけど興味を引くというか、リアルに経験していなくても、どこか懐かしさを感じますよね。
-----都市伝説的なホラーを題材にしたのはなぜですか?
船田: ベタなホラーでスプラッターになったり、血まみれをやったりすると放送できないので、中間の怖さになる都市伝説は、テレビと相性がいいとは思ってるんですよ。ネットを見ると都市伝説のサイトがたくさんあるし、女性も男性も入り込めて、なおかつ好き嫌いがなく、ホラーとしての題材としてはいいような気がしています。
山川: 特に若い人たちにとっては、純粋なホラーよりも、都市伝説ってこう、入りやすいじゃないですか、響きが。そういう意味でも、都市伝説はキャッチーでもあったんですよね。
-----エンディングテーマではボカロを起用していますが。
山川: 「闇芝居」のコンセプトに共感してくれたとある音楽コーディネーターがぴったりの曲を持ってきたんです。
船田: いいですよね。アンバランスでね。
山川: まったく予想外だったんですよね。本編がアナログな作風にしていたところに、ああいう曲を持ってきていただいた。
船田: よかったですよね。
山川: もともとエンディングテーマは、付ける予定がなかったんですよ。で、曲を聴いてこれ付けなきゃ!ということになりました。
岡本: もともと番組自体をB級のインディーズで作ろうとしてたんですよ。いつ放送するかわからないし、ホームページも文字だけという、B級感満点にしたかったんですよ。でも、ちゃんとしなきゃいけないというようなタイミングが何回かあって、エンディングテーマがピッタリだったから付けたいとか、ホームページも、ちゃんとしなくてはダメなんじゃないかとか。初めは不定期で放送していて、この番組自体が都市伝説になればいいなーぐらいの気持ちだったんですが、最終的には色んな人達の協力のおかげで、いい形になりました。
-----「闇芝居」アプリというものがありますね。
船田: 本当のこと言っちゃうと、番組と連動しているので放送内容とあわせてキャラクターを登場させるようにしました。
アキバ: ということは、放送が進むと、解禁されてほかの都市伝説が出てくるんでしょうか。
山川: そうなんですよ。だから結構時間が経ったあとにやると、めちゃめちゃ面白いんですよ。ホームページのアクセス数もそうですけど、深夜とホラーとネットって親和性が高いんですよね。そのなかにアプリがプラスされれば、うまくいくんじゃないのっていう算段はあったんですが、結果はこれからですね。
アキバ: アプリは、都市伝説を集めるだけなんでしょうか?
船田: 基本はそうですが、放送と連動したり、最終的には放送された動画が観られるようになります。
岡本: たとえばお札女の都市伝説を集め続けると、お札女の本編が観られるという。
山川: 放送局以外のエリアの人も、アプリさえクリアすれば観られるということですね。
岡本: 女性が楽しめるような、爽快感のあるアプリも出ます。
山川: そう、第2弾アプリなんですよね。
(※第2弾アプリ「半猫割り from 闇芝居(仮)」)
-----各エピソードについて、工夫しているところなどはありますか?
山川: 初めは紙芝居風で、それこそクレヨンで書いたような、雑なタッチのアニメにしたかったんですけど、13本あがってみると、様々なバリエーションでした。すごくキレイなアニメが入っていたり、なんだこれ?というようなのが入っていたり、毎回違う絵なので面白いんですよね。
船田: 本当は昭和感あふれる雑さ満点でいこうとしたんだよね。
山川: 雑な13本でいきたかったんですけど…。
船田: まあ結果はね。
山川: 面白いんですよね。
アキバ: 観るたびに絵柄が変わったほうが観てみようってなりますよね。
山川: そうなんですよ!同じ番組とは思えないですよね。
岡本: 何回かちょっと変わった作品もあるんですけど怖いのがあるいっぽうで、会社がアニメやゲームなどのCGグラフィックスを作っているので、いろいろなタイプの作風があるんですよ。
山川: 全部で13本あって、スタッフの人全員、好きな作品がそれぞれ違います。バリエーションの多さやストーリー上、解釈が分かれるものが多くて答えが出てないお話ばかりなので、観た人が自分なりの解釈で、好きかどうか判断しますから意見が分かれちゃいますね。
岡本: どれが怖いですか?とかという質問になると、何回見ても驚くやつ、とかあるわけですよ。そういうのは知っていても驚くじゃないですか。それが印象づいてる人もいるし、話として、こういうノリでいいなという人もいたりと、人それぞれですね。
船田: 最後話がいちばん嫌な気持ちになるかもしれない。
山川: トラウマになるかもしれないですよね、最後のは。。
船田: ほんとう怖い。印象残るよね。
岡本: 怖いですね。最初見たときはブルーな気持ちになりました。
山川: でも、その最終話が持っている要素がこの番組の真骨頂で、それを放送したくて「闇芝居」をやろうという話になったのです。
アキバ: これから、さらに盛り上がると思うんですけど、続きはあるんでしょうか。
山川: 続ける気は満々なんですけど、反響次第ですよね。
船田: 反響がよければもう1回やりたいなという気には、なっちゃいますね(笑)。
-----視聴者の皆さんへひと言お願いします。
船田: 皆さん、ぜひアプリをやってみてください。放送と連動しているので、感想を聞きたいなーって思います。あとは全話、トーンが違うので、それを見比べてもらえると面白く観れるんじゃないかと思います。驚かせるだけが目的で作ってるわけではないので、怖かったねって言う評判は確かに嬉しいんですけど、グラフィックと技術と間合いとか、いろんなことが融合されているのを、単純に楽しんでもらえるとありがたいと思います。
山川: テレビ東京のアニメとしては数十番組放送しているなかで、この一本は違和感たっぷりの作品です。絵ヅラもそうだし、ほとんどの声優さんが初挑戦だったり、色々な意味で危なっかしくて、とにかく新しいアニメです。
一同: ありがとうございました。
■放送スケジュール
7月14日 1話 お札女
7月21日 2話 惨拝
7月21日 3話 家訓
8月4日 4話 かみ
8月11日 5話 異階
8月18日 6話 網棚
8月25日 7話 矛盾
9月1日 8話 傘神様
9月1日 9話 祟られ
9月8日 10話 月
9月15日 11話 ビデオ
9月22日 12話 トモナリクン
9月29日 13話 疼憑き
毎週日曜深夜2時15分から放送中
※放送時間は、放送日によって異なる場合があります。
8月20日(火)深夜3時50分から「闇芝居(災)」放送決定!
これまで放送されたエピソードを一挙放送。
>> 「闇芝居」の感想、レビューはこちらから!
「あらすじ」
なかなか寝付けない夏の夜、何気なくつけていたテレビから一風変わった気味の悪いアニメが流れ始めて、ついつい見入ってしまう…それはまるで“都市伝説”かのように若者たちの間で噂になっていく――。