最終話目前、「Back Street Girls -ゴクドルズ-」制作裏話インタビュー! 今千秋監督&松倉友二プロデューサーがガチンコ対談!!

2018年08月21日 11:180

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極道渡世に身も心も捧げてきた生粋の極道の男3人が、性転換&全身整形! アイドルグループ「ゴクドルズ」としてデビューするという仁義なきアイドル渡世コメディ「Back Street Girls -ゴクドルズ-」。毎週、ぶっ飛んだエピソードで2018年夏アニメを盛り上げてきた本作がいよいよ最終回を迎える。国内だけでなく海外でも話題をかっさらったアニメ「Back Street Girls -ゴクドルズ-」を手がける今千秋監督、J.C.STAFFの松倉友二プロデューサーの対談インタビューが実現した!

「やるしかねーんだよ!」でアニメ化決定!?

—— 毎回楽しく拝見しています。めちゃくちゃハマってます!

 

松倉友二プロデューサー(以下、松倉P) こういうタイトルなんで、今日は、ざっくばらんにいきましょう! 海外での再生数もだいぶいい作品です。7月のアニメランキングみたいなもので、上位にいましたね。

 

今千秋監督(以下、今監督) 特に中国ね。(※編注:「ビリビリ動画」にて一時1位にランクインした)

 

松倉P 短くてテンポがいいというのが見やすくてウケているんだと思います。

 


——
なるほど。「アキバ総研」でも本作は大人気作です。では、まず「Back Street Girls -ゴクドルズ-」をアニメ化することになったときの感想を教えてください。

 

松倉P アニメ化のお話をいただいたとき、「正気かな? どういうつもりなんでしょう」というのが率直な感想です(笑)。劇画調の絵柄で、アイドルに歌って躍らせるというリクエストですからね。「現実が見えていないのかな?」なんて思ったりもしたのが最初の感想でした。まあ、でもどういうふうに作るかは後から考えようと思って。さてどうやって作っていこうか?となった段階で、なんとなく今さんに頼んだという経緯ですね。

 

今監督 原作も面白かったので、「これは、楽しそうだな」と思いました。

 

松倉P 実は、過去作で漫画のコマを有効活用したアニメの作り方というのを「Back Street Girls」のチームで取り組んでいたので、このタイトルに関してはそういうテンションの維持の仕方がいいんじゃないかな?と思って今さんにお願いしました。あとは、今さんが秘めたる下品を楽しめるかなと思って(笑)。

 

今監督 あー、まあね。「『稲中』、神!」ですからね、私。

 

松倉P おもしろかったらなんでもいいんだよ!っていうリクエストを自分サイドから言いやすいというか、そういう流れです。

 

今監督 最初は5分枠のような短いものを想定していました。だけど、実は30分アニメになると聞いて、「もうやるしかない!」という感じでした。何度か松倉さんに呼び出されて、説明を聞かされてるんですけど「この人、何言ってるの? この画で、30分持つかいな!?」って思ってました。なんだか「やるしかねーんだよ!」って親分から言われている気分でしたね。

 

 

—— ここにも組長とゴクドルズの関係性があったのですね。

 

松倉P 「黙ってやれ! 殺すぞ!」ってね(笑)

 

親分(プロデューサー)の命令で踊るはめになった今監督!?

—— 制作現場の様子はいかがだったのでしょうか?

 

今監督 殺伐とした感じ、です。(きっぱりと)

 

—— 即答ですね(笑)。

 

松倉P 設定がこれなので、最初は、手探りで進めていった感じはします。

 

今監督 作画さんは最初から楽しそうでしたよ。コンテを見ながら、おもしろーいって。ま、コンテといっても漫画のままなんですけれど。

 

松倉P そりゃ、面白い漫画読んでいるんだから、面白いに決まってるよね。

 

 

—— 監督を含めてスタッフのみなさんが面白い!と盛り上がり始めたのはいつ頃からですか?

 

今監督 声が入ってからですね。声が入っていないと、普通に繋いだ絵を見ているだけなので「何が面白いんだろう、これ」という状態でした。声を入れるまでは、「わからなくなってきたぞー」となる瞬間が何度もありました。声が入ってから、やっと「ああ! これ、おもしろーい、おもしろいじゃん!」って感じました。

 

松倉P 俺は最初から「面白くなる」って確証はあったけれど……。あれ、ここ温度差があるのかな(笑)。

 

今監督 松倉さんが最初に役者さんに「ご覧の通り動かないアニメなので。みなさんが盛り上げてください」とお話ししていました。本当にその通りだな、と声で盛り上がったと思います、このアニメ。

 

—— そんな動かないアニメの中で、唯一動きのあるOPについてお聞かせください。監督が絵コンテ、演出、踊りを担当したOPと話題になりましたが、大変だったのはどのような点ですか? なぜ、監督が踊ることになったのかも教えてください。

 

松倉P 細かい振り付けとかは、声優の小林元子さんが担当してくれました。監督のために動画を作ってくれて、それを見ながら監督にがんばってもらいました。

 

今監督 動画を見ながら自宅で練習したのですが「これ無理、家で個人練習できるレベルじゃない」となりまして……。「ちょっと、親分! 先生を呼んでください!」とお願いし、撮影の1週間前に先生を呼んでもらいマンツーマンでレッスンをしました。J.C.STAFFの空き部屋で(笑)。

  

 

—— 監督は、踊りが以前から得意なのですか?

 

今監督 いいえ。2年前に阿波おどりをやってたくらいですね。

 

松倉P 阿波おどりとOPのダンスは違うんじゃない?

 

今監督 全然違うんですけど、阿波おどりの練習方法が役に立ったんです。阿波おどりも鏡を見ながら練習したり、自分の踊りの状態をチェックするために録画とかもするんです。なので、そのノリでダンスのレッスン風景も撮影して、見比べて自分ができていないポイント確認に役立てました。先生に「阿波おどりがここで役に立ちました!」と伝えたら「それ、とても大事なことなんですよ」って。

 

松倉P じゃあ、作品が繋いだってことだね。阿波おどりを始めたのは昔やった「ゴールデンタイム」というアニメがきっかけだからね。

 

今監督 繋がりましたね(笑)

 

 

—— 周りの反応はいかがでしたか?

 

今監督 第1話オンエア直後は、「意外とみんな気づいてない? あれ?」って……。エンディングのスタッフクレジットで「オープニング 絵コンテ・演出・踊り」って書いてあるんですけど、周りの友達も全然気づかなくて、ちょっと寂しかったですね。「皆様、OPを見てなにかお気づきになりませんか!?」ってみずからアピって、やっと気づいてもらえる という……。一応、体を張ったギャグです!

 

松倉P オープニングくらい豪快に行こうってね。

 

今監督 違いますよ。親分(松倉P)のノリが、オープニングも「やるしかねーんだ!」っていう雰囲気だったんですよ。それで、勢いで「わたし、踊ります!!」っていう流れになった感じです。

 

松倉P そうそう。それで流れをぜーんぶすっ飛ばして「踊りたい」というメッセージだけを受け取って。

 

今監督 そう。親分の中で「踊る!」が「踊りたい!」に変わってた(笑)。やるなら速攻手配だという感じでどんどん進んでいくので、「待って! 心の準備が……! とりあえずコンテ描かせて!」というところから、スタートしました。

 

—— ゴクドルズ虹組のPVと比べてどうですか?

 

今監督 まあ、「勝ったな」って。ドヤァ……あれ? 私、殴られるかな(笑)。

 

松倉P いや、勝ってる。大丈夫、大丈夫(笑)。

 

今監督 ちなみに本番の撮影も、J.C.STAFFの照明もなんもない空き部屋にグリーンバック張って、撮影さんが撮ってくれたんですけど、彼らから「お前の仕事なんだっけ?」っていうオーラをそよそよと感じました。被害妄想ですが(笑)。

 

 

「動かない理由」は、いかに原作を再現するか真面目に考えた結果!

—— お気に入りのシーンやキャラクターを教えてください。

 

今監督 発情期の犬の股間がギンギンしてるファンタジーなシーンと、マリの痔が爆発するシーンです。

 

 

松倉P マリちゃんの痔が爆発するあのシーンは、アフレコの時ブースが湧いたんだよね。

 

今監督 キャラクターはかわいいのでチカが好きですピョン♡ あとはマンダリン木下ですね。松倉さんはどうです?

 

 

松倉P お気に入りのシーンは、「もう兄貴のおっぱいもまないでください!」っていうシーンだね。冷静になるとすごく頭のおかしいセリフだなって思いました。しかも、最後はちょっといい話風にまとまっているところが、またおかしくて変だけど、結構好きですね。キャラクターは、マリ。

 

今監督 あら、いやらしー。

 

松倉P なんで?

 

——劇中だとマリちゃん好きな人は、結構怪しい人が多いですよね。

 

松倉P あ、そうだったね。じゃあ、変えようかな?

 

今監督 マリでいいじゃない。マリのほうが面白いよ。

 

松倉P じゃあ、マリで(笑)。

 

今監督 あと、なつ子も好きです。なつ子を見ていると自分を見てる気がします。

 


——
どの辺がですか?

 

今監督 「もう若い女みんな死ねー」みたいな感じのキャラかな(笑)。

 

松倉P あははは。ひどいな。でもその流れだったら俺も、お気に入りは組長とかにしたほうがいいんじゃないかな?

 

今監督 変えなくていいです。いやらしい感じのままでいいです。あ、ここ、ちゃんと書いておいてくださいね。「マリって言ったのに、いやらしいと言われて組長にしようとした」って!(笑)

 

松倉P 組長の中の人(藤原啓治さん)が好きであることは間違いないんだけどね。

 

今監督 私も(藤原啓治さんが)好きですよ。マリのお尻踏みつけながら、「縫うぞ!」って叫んでましたね。

 

松倉P (そのシーンを)「すごくやりたい!」って言ってくれたんだよね。

 

今監督 「ほんとかな?」って思いましたけど。とてもありがたいことです。

 


——
絵が動かないことで、近年まれに見る省エネ体制の作品などと言われましたが、このような作風になった経緯を教えてください。

 

松倉P アニメにすることで、原作を変える必要はどうしても出てきます。動かすために必要なことが、アニメならではの理由としてあるからです。でも、歩いたり動かすために別のものを作って、それを維持するためにみんなで労力注いでがんばらなくちゃいけない!というのが必ずしもタイトルにマッチするとは思えないというのが自分の中にあります。今回は、原作の絵とか風味をどれだけ再現してアニメーションとして楽しめるものにするのかというチャレンジをしたい!というのが、真面目に考えてプランニングした部分です。

 

あとは……正直、予算がないなと思ったので。でも、結果的にはそんなに安く仕上がったアニメではないんです。だから「Back Street Girls -ゴクドルズ-」を表現するのにいちばん適正な方法でやりました!という感じですね。

 

——原作者ジャスミン・ギュ先生からアニメ化に際し、リクエストなどはありましたか?

 

今監督 特になかったですけど、楽しんでいただいているようです。

 

松倉P スタジオに来た時も、にこやかに楽しそうにアフレコの様子を見ていましたね。

 



アニメ終盤の見どころは!?

—— ゴクドルズ虹組の3人が「アイドルへの道」と称してさまざまなチャレンジ企画に挑戦しています。ご覧になりましたか?

 

今監督 見ていてかわいそうでした。あんな華奢な女の子が滝行なんて、子犬が雨の中捨てられていて、どうしようっていうレベルでした。あの悲しさ漂う映像がDVDの特典につくと聞いて驚きましたね。見るのも苦行。
⇒【独占取材!】アイドルの世界で天下とったるんじゃー!! 「Back Street Girls -ゴクドルズ-」ヒットを祈願し、ゴクドルズがガチンコ滝行! 密着レポート!!

 

松倉P まあ、修行ってことでいいんじゃない?

 

今監督 じゃあそういう事で、皆様BOXの予約をお願いいたします☆

 

—— まさに組長っぽい発言ですね(苦笑)。ゴクドルズ虹組の3人から、「目標は武道館!」「タイで凱旋ライブ!」という声も出ていたのですが、目標のためのチャレンジ企画を作るとしたら、どんな提案をしますか?

 

今監督 原作準拠で全裸で滝行を推奨します。

 

松倉P ヨガボールとか、洗車とかいいんじゃないかな?

 


——
アイドルというよりもプレイボーイ路線のような感じがしますが(笑)。では、最後に終盤の見どころについて教えてください。

 

松倉P 一応ちゃんと収まった感はあるので「絆」かな。

 

今監督 収まりましたね、よかったです。

 

松倉P リアルJKゆいの活躍とか見どころだと思います。

 

今監督 ゆいの登場でマリの痔が爆発!みたいなね。

 

 

—— ありがとうございました。最後まで笑わせてもらいます!

 

松倉P ありがとうございました。楽しんでください。

 

今監督 ありがとうございました。……毒しか吐いてないような気がするけど大丈夫かな(笑)。

 

終始、コントのようなかけ合いで盛り上げてくれた今監督&松倉P。犬金組長よろしく「Back Street Girls -ゴクドルズ-」がおもしろくならない理由はない!と感じたインタビューだった。

 

(取材・文/タナカシノブ)

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Back Street Girls-ゴクドルズ-

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放送日: 2018年7月3日~2018年9月4日   制作会社: J.C.STAFF
キャスト: 小野大輔、日野聡、興津和幸、貫井柚佳、前田佳織里、赤尾ひかる、藤原啓治
(C) ジャスミン・ギュ・講談社/犬金企画

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放送日: 2013年10月5日~2014年3月29日   制作会社: J.C.STAFF
キャスト: 堀江由衣、古川慎、茅野愛衣、石川界人、木戸衣吹、比上孝浩、佐藤聡美
(C) 竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス/おまけん

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