中国からハイセンスな造形物を発信する“末那models(マナズ・モデルス)”って何だ!? 日本支社代表・神田修さんに聞いてみた!【ホビー業界インサイド第35回】
自社工場と直営店で、最高のクオリティの作品を届ける
── 「ワンダーフェスティバル 2018上海[Pre Stage]」が今年4月に開催されて、日本のホビー業界の関係者たちはショックを受けて帰国してきました。「もしかすると、日本は中国に追い抜かれているのではないか?」という不安を感じるのですが、いかがでしょう?
神田 日本を追い抜いたわけではないと思います。しかし、市場が日本の10倍ほどあるのは確かです。ワンフェスぐらいの大きな規模のイベントが、2~4か月おきに開催されています。なぜなら、上海、北京、台湾といった具合に、地域ごとに分けて開催しているからです。
── そうしたイベントに来場するお客さんは、キットを買いにくるのですか? それとも完成品?
神田 両方です。だけど、ガレージキットの市場はまだ小さいです。ガレージキットは、メーカーに勤務している原型師が趣味で売っている場合が多いです。だけど、個人で売っているキットなのに、パッケージはレーザープリンターなどを使っていて、すごくカッコいいんです。どうしてそんなにパッケージに凝ることができるのかというと、彼らに投資してくれる企業があるからです。今、中国は投資バブルですから、才能のある個人には企業がどんどん投資してくれるわけです。
── ということは、ガレージキットを個人で制作しながら、個人の負担は少ないということですか?
神田 ほとんどありません。自分の世界観でストーリーを作り、オリジナルのキャラクターを自分で造形して売っています。そういう傾向も、日本とは逆ですね。むしろ、アメリカに近いのかも知れません。日本はまず大きなIP(知的財産)を作って、それを拡大していきますよね。中国ではまず個人がフィギュアを造形して発表し、それから企業が「あなたのキャラクターをウチのIPにしませんか」と声をかけます。
── その段階で、キャラクターの権利は企業に移ってしまうのですか?
神田 いえ、キャラクターの著作権は個人に残ります。量産して販売する権利だけを企業に与えるパターンです。今の中国は、まさにフィギュアの黄金時代なのですが、今のような状態になってから、まだ日が浅いんです。今のような良い時代になったのは、今年の1月からですね。
── 今年ですか(笑)。つい最近なんですね。マナズ・モデルスは、やはりイベントでは人気が高いのですか?
神田 3~4時間前から行列ができて、ほとんど売り切れます。商品は、広東の自社工場で生産しています。中国だと金型を横流しするなど、あまりいい噂を聞かないと思いますが、自社工場なのでそうした危険はありません。それと、自社製品を売る直営店があります。まず上海に1店舗あって、さらに数店舗、拡大する予定です。天安門の近くの一等地に「蔦屋書店」のようなお店があって、その3階が丸ごとマナズ・モデルスの直営店になります。中国にも膨大な店舗数のあるPOP MARKETにも、マナズ・モデルスの商品を置こうという話も進んでいます。
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